イオン注入ディクショナリーIon Implantation dictionary

プロセスに関連する用語

Siへのイオン注入

英語表記
ion implantation into Si

Siへのイオン注入は、1970年代前半にMOSFETのVth制御に使われ始めて、現在ではほぼすべてのドーピング工程に使われている半導体製造のキープロセスの一つです。ウェル、チャネル、ソースドレイン等の形成に用いられ、N型層形成のドナー原子として、V族元素 のリン(P)、ヒ素(As)が用いられ 、N型層形成のアクセプタ原子としてⅢ族元素のボロン(B) が用いられる。またP型浅接合形成にインジウム(In)、N型浅接合形成やバイポーラトランジスタの埋め込み層形成にアンチモン(Sb)が用いられることもある。ドーパント以外のイオン種として、拡散や活性化を制御するために、炭素(C)、窒素(N)、フッ素(F)なども用いられる。イオン注入のエネルギー範囲は数100eVから数MeV、注入量範囲は1E11/cm2から1E16/cm2と非常に広い領域をカバーし、注入条件により中電流機(MC)、高電流機(HC)、高エネルギー機(HE)の3種類のイオン注入機が使い分けられる。