イオン注入ディクショナリーIon Implantation dictionary

プロセスに関連する用語

SiCへのイオン注入

英語表記
ion implantation into SiC

炭化ケイ素(SiC:Silicon Carbide)は、Siと比べてバンドギャップが大きく、破壊電界強度が10倍、熱伝導率が3倍、飽和ドリフト速度が3倍であることから、高耐圧、低オン抵抗、高速動作が可能であり、Siに変わるパワー半導体材料として実用化が進んでいる。N型層形成のドナー原子として、V族元素 の窒素(N)、リン(P)、が用いられ 、P型層形成のアクセプタ原子としてⅢ族元素のボロン(B)、アルミニウム(Al) が用いられる。SiC中のドーパントの拡散は極めて小さいことから、熱拡散によるプロファイル形成が出来ないため、エネルギーを変えた多段注入で所望の分布を実現します。また、SiC基板の場合、イオン注入時に発生した欠陥はその後の高温アニールでも回復しにくく抵抗の増大を引き起こす。これを回避するために基板温度を500℃程度に加熱して注入することが多い。