イオン注入ディクショナリーIon Implantation dictionary

プロセスに関連する用語

裏面イオン注入

英語表記
Backside ion implantation

ウェハ裏面へのイオン注入。縦方向に電流を流すパワーデバイスでは、ウェハ裏面にも電極が形成されます。DMOSFETではドレイン電極、IGBTではコレクタ電極がウェハ裏面電極に相当します。DMOSFETでは、N型のドーパント、IGBTではコレクタとして働くP型のドーパント、およびコレクタ直下のフィールドストップ(FS)として働くN型のドーパントがイオン注入によって形成されます。これらの注入は配線形成を含む表面側デバイスが完成した後に実施されるために、イオン注入後の活性化アニールは、表面に熱を伝えないレーザーアニールが用いられます。また近年、水素イオンをウェハ裏面から数100keVから数MeVの加速エネルギーで、深さ数μm~数10µmの位置に注入し、400℃以下の低温アニールでドナー化することで深いFS層を形成する技術が用いられ始めている。デバイスのオン抵抗を下げるために裏面注入時のウェハ膜厚は研磨で薄くされます。ウェハのたわみ抑制や強度確保の為にガラス基板やテープをウェハ表面に張り付けてウェハを補強したり、ウェハ周辺部を残して研磨するTAIKOプロセス等が用いられるが、イオン注入時のウェハ搬送には注意が必要です。

裏面イオン注入