分析マグネット

イオン源で発生されたイオンには、例えば、BF3ガスを用いたB+イオン発生の際のF+、BF+、BF2+イオンなど、目的とするイオン以外のイオンが存在することが多い。このため、必要なイオンだけを取り出すために、引き出してエネルギーを持ったイオンを、分析マグネットで発生させた磁場の中に通す。これによって、イオンそれぞれの質量・電荷量の違いから、同一エネルギーであっても運動量（速度）が異なるために、それぞれのイオンは別々の半径にて、磁場内で円軌道を描く。この軌道の違いを利用すれば、磁場を通した後にイオンが到達する位置が、イオンごとに異なるため、ここにスリットを設ければ、特定のイオン（イオンビーム）だけを取り出すことができる。このような手法を分析といい、用いるマグネットを分析マグネットと呼ぶ。