マルチスリット電極

イオン源から大面積イオンビームを引出す場合、イオンビームの質も要求される場合は、多孔電極引出しかマルチスリット引出しのどちらかを選択することになる。
すなわち、イオンビーム引出しのために大きな孔を用いると、孔の周囲と中央の電位が違うために、プラズマから質の良いビームを引出すことができない。
マルチスリット電極の場合は、幅数ミリメートルの多数のスリット孔からイオンビームを引出す。通常3枚から4枚の引出し電極系を用いるが、それぞれのスリット孔の位置が一致している必要がある。このアライメントは重要で、揃っていないと引出されたイオンビームは偏向してしまう。
スリット孔引出しにおいては、引出されたビームレットのスリット長手および短手の発散の度合いが異なる。長手方向よりも短手方向にビーム発散は大きい傾向がある。
図はイオンドーピング装置iG5で用いている多孔引出し電極系の1枚めのプラズマ電極である。(左側は電極押さえ板を外した状態）