イオン注入ディクショナリーIon Implantation dictionary

装置に関連する用語

マルチカスプイオン源

英語表記
multicusp ion source

内部にプラズマを生成する容器の壁の周囲に永久磁石を設置することによりカスプ磁場を生成することにより、プラズマ中の荷電粒子(特に電子)の壁面へのロスを抑えプラズマ閉じ込めを画期的に向上させたイオン源。当初、核融合利用を目的に開発されたが、大面積イオンビーム生成のための代表的なイオン源になっている。壁面への永久磁石の並べ方は、N極・S極が交互に並ぶことが基本であるが種々の方法が使用されている。壁面近くの磁場強度が非常に強く、それ以外の領域の磁場強度が非常に小さいことがプラズマ閉じ込め上の特徴であり、高密度で大面積の均一なビームを得られやすい。日新イオンのイオンドーピング装置のイオン源もこのタイプが用いられており、図に磁場配位を示す。一般的なマルチカスプイオン源では、磁石の間隔をより小さくして磁場強度の大きな領域を壁の近くに局在化させている。

マルチカスプイオン源