イオン注入ディクショナリーIon Implantation dictionary

指標に関連する用語

注入熱量の計算

英語表記

イオン注入に用いるビーム電流そのものが持つ仕事率は、次のように、簡単に計算できる。


【ビームエネルギー(eV)】×【ビーム電流(A)】=【ビームの仕事率(W)】
...(1)


このようなビームが、ロス無しに基板に照射(注入)される場合、基板が得る熱量は、次のように計算できる。


【ビームの仕事率(W=J/s)】×【注入時間(s)】/【4.19(J/cal)】=【注入熱量(cal)】
...(ビームが全て基板に注入される場合) (2)


しかしながら、実際には、ビーム計測に用いられるビームや、オーバースキャン領域でのビームが、注入されないビームなるため、発生したビームの全てが注入に用いられないことがある。



そこで、このような場合には、装置パラメータとして設定/計測される注入イオンドーズ量(ions/cm2)を用いて、実効的なビームの仕事率(W)を換算する方法がある。


具体的には、1価イオン注入の場合は、次のように計算される。


【注入イオンドーズ量(ions/cm2)】×【1.602×10-19C】/【注入時間(s)】×【ビームエネルギー(eV)】×【基板面積( cm2 )】
 =【(実効的なビームの仕事率(W)】...(3)