イオン注入ディクショナリーIon Implantation dictionary

プロセスに関連する用語

高温注入

英語表記
Hot implantation

ヒーターなどで基板を加熱しながらイオン注入する技術。基板を加熱することにより、イオン注入により発生する結晶欠陥の発生を抑制すると同時に、セルフアニーリング効果により発生した欠陥を消滅させることができる。また、基板を加熱することで、アモルファス化する臨界注入量を大きくすることが可能となる。Siプロセスの場合は、注入量が1E13/cm2程度の比較的低ドーズの注入に用いられ基板温度は200~300℃で使われることが多い。マスク材料として高温でも変形しない高温対応の特殊レジストが用いられる。SiC基板の場合、イオン注入時に発生した欠陥はその後の高温アニールでも回復しにくく抵抗の増大を引き起こす。これを回避するために基板温度を500℃程度に加熱して注入することが多い。特に高濃度のAlイオン注入においては、高温注入が必須となっている。500℃の耐熱性を持つレジストがないために、マスク材料としてSiO2などのハードマスクが用いられる。