- 英語表記
- Activation annealing
イオン注入した原子は、物質中の電子や原子と衝突しエネルギーを失って停止します。衝突した原子は格子位置からはじき飛ばされ格子間原子となり、格子には空孔ができます。注入したイオンを電気的に活性化しドナーあるいはアクセプタとして作用させるには格子位置に注入原子を入れる必要があります。注入原子を格子位置に入れると同時に発生した格子間原子や空孔を回復させる熱処理の事を活性化アニールと言います。一方高濃度でイオン注入した場合は、注入領域は結晶性がくずれアモルファス化します。この場合は、活性化アニールによりアモルファス/単結晶界面から固相成長し結晶化すると同時にドーパントを格子位置に入れます。活性化アニールの温度が高い程、ドーパントが活性化する割合(活性化率:activation rate)が高くなりますが、同時にドーパントが深さ方向に拡散してしまいます。先端デバイスでは、拡散抑制と活性化を両立させるために、高温でm秒程度の短時間での熱処理が用いられます。